DMARK

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DMARKの解説

メールの信頼性とセキュリティを向上させる技術

 

DMARKとは何か
DMARK(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)は、電子メールの送受信における信頼性とセキュリティを向上させるための技術規格です。この規格は、SPF(Sender Policy Framework)やDKIM(DomainKeys Identified Mail)といった既存の認証技術を補完するもので、送信元のドメインが正当であるかどうかを確認することを目的としています。

 

 

DMARKの構成要素
DMARKは以下の3つの主要な構成要素から成り立っています:

 

 

DMARKの仕組み
DMARKは、メールが送信される過程で以下の手順を踏んで動作します:

1.       SPFとDKIMの設定:ドメイン所有者は、まずSPFとDKIMの設定を行い、送信するメールがこれらの技術によって認証されるようにします。

2.       DMARKレコードの作成:ドメイン所有者は、DNSにDMARKレコードを追加し、認証ポリシーやレポート先の情報を提供します。

3.       メールの送信と認証:メールが送信されると、受信者のメールサーバーがSPFとDKIMの認証を行います。

4.       DMARKポリシーの適用:SPFやDKIMの認証結果に基づき、DMARKポリシーが適用されます。不正なメールは拒否されたり、隔離されたりします。

5.       レポートの送信:メール受信者は、DMARKのレポートをドメイン所有者に送信し、認証結果や不正なメールの情報を提供します。

 

 

DMARKの利点
DMARKを導入することで、以下のような利点があります:

 

 

DMARKの導入ステップ
DMARKを導入するには、以下のステップを踏むことが推奨されます:

1.       準備:まず、SPFとDKIMの設定を確認し、正しく機能していることを確認します。

2.       DMARKレコードの作成:DNSにDMARKレコードを追加し、ポリシーとレポート先を設定します。

3.       モニタリング:最初は「none」というポリシーを使用し、メールの認証結果とレポートをモニタリングします。

4.       ポリシーの強化:モニタリングの結果を元に、ポリシーを「quarantine」や「reject」へと段階的に強化します。

5.       継続的な改善:レポートを定期的に確認し、必要に応じて設定の調整や改善を行います。

 

 

まとめ
DMARKは、メールのセキュリティと信頼性を向上させるための強力なツールです。SPFやDKIMと組み合わせて使用することで、不正なメールの送信を防ぎ、ブランドの保護と透明性の向上を実現します。企業や組織は、DMARKを導入することで、メールを介したフィッシングやスパムのリスクを大幅に低減し、信頼性の高い通信環境を構築することができます。